イカとクジラ

2010年3月20日
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イカとクジラ
「イカとクジラ」(2005年・アメリカ) 監督・脚本:ノア・バームバック 不思議なタイトルに一体どんな内容かと思いますが、舞台は1986年のブルックリン。 16歳の兄ウォルトと12歳の弟フランクの両親は共に作家。父はしばらくスランプが続いているが母は絶好調。そんな2人が離婚をすることになり、両親の家を行き来する生活が始まる頃、兄弟2人にもある変化が起き始める…というハナシ。 ではタイトルの「イカとクジラ」はというと、それはこちら。 怖すぎ。 これはアメリカ自然史博物館にある巨大なジオラマで、シロナガスクジラがダイオウイカを食べようと格闘しているシーン。映画ではこのジオラマを息子の視点から「離婚しようとしている父と母」に見立てているというワケ。?マニアのために解説しておくと、監督・脚本は「ライフ・アクアティック」の共同脚本を務めた人で、本作のプロデューサー陣にはウェス・アンダーソンが名前を連ねています。 また本作は監督自身の少年時代を投影して書いた脚本と言われていて、そのせいで舞台設定が1986年になっています。 決して娯楽作品と呼べるものではありませんが、本作を観ると「子供とはいかに親の影響を受けて成長するものか」が手に取るように分かります。それはもう恐ろしいくらい。 僕も自分の人格は親の思想と生活環境によって形成された、と30代後半で認識しましたから、観ていてちょっと辛くなるシーンもあったのです。また、今後もし僕に親になるチャンスがあれば、反面教師として大いに参考にしたいなと思える映画でもあったのです。 両親に翻弄される二人の息子を若い俳優が実に巧く演じています。この2人の芝居が本作のリアリティを保っていると言っても過言ではありません。 余談ですが弟のフランクを演じたのはフィービー・ケイツの実の息子、オーウェン・クラインでした。 例えとしては古いけれど「クレーマー、クレーマー」のシニカル版。今となってはこちらのほうがよほど現実的な問題かなと思う。 佳作。 イカとクジラ出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメントメディア: DVD

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